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2017/07/31

空蝉(うつせみ)

夏のまばゆい日差しの中、緑の梢から元気な蝉の鳴き声が聞こえてきます。
今朝その日差しの中へ飛び立ったのでしょうか。御手水に添えた木の枝に蝉の抜け殻がありました。蝉の抜け殻は、「空蝉(うつせみ)」ともいいます。
源氏物語では、光源氏の求愛に夏の薄い着物一枚を残して身を隠した女性を「空蝉」という名前でよんでいます。

夏の暑さを感じる蝉の声も、空蝉(うつせみ)を残して飛び立ったことを思うと、透けるような絹の薄衣までが想像されて涼やかな気持ちになるものです。

(源氏)空蝉の身をかへてける木のもとになほ人がらのなつかしきかな
(女君)うつせみの羽に置く露の木隠れて忍び忍びに濡ぬるる袖かな